相続放棄 千葉市 行政書士
20年以上前だったと思う。まだ行政書士になるずっと前、ある若い女性から相談を受けた。
「父親が残した借金の督促状が、私にきて困ってる。父親は、私が小さい時に出て行った。育てられてないし、どこでどう暮らしてたかも知らない。そんな借金など一切払うつもりはない」そう金融屋さんに電話したらその業者からは止まったけど、別の金融屋から督促状がきた。払うつもりはないが気持ち悪い。
僕は、「受け継ぐ資産がなければ、速く相続放棄した方がいいかも。亡くなったことを知ってから3か月経つと負債を全部かぶるよ」と言ったら、
その女性は、「どこで亡くなったかもわからないし、第一、育てられてないから払うつもりはない。」
私「手続きしないと・・・」
女性「実際1つの金融屋さんに電話したらわかってもらえたし、払わないから」
なかなか嚙み合わない話が続いた。「あまり法律とか興味ない感じで、法律がどう?とかよりも私の考えでは絶対払わない。いまの生活の方が大事だから」という信念みたいに頑固な感じでした。
依頼を受けた訳でもないし、金銭が発生してる訳でもないし、当時は宅建の知識しかなく出過ぎた真似をして・・・と迷ったが、
「法律は、世の中の決まりは、個人の家庭の事情は1つ1つ受け止めてくれませんよ。何千万件の家庭事情を個別に受け止めてたら、裁判所がパンクしてしまいますよ。親が亡くなったのを知った時から、3か月以内に相続放棄しないなら、資産も負債も、相続人が受け継いで下さい。一律にバッサリと線引きされています。そのうえで、そこをひっくり返すなら、個別裁判手続きで。という話になりますよ。」
なおも女性「父親に育てられてないから、子供って言われても・・・」
私「いや戸籍上の子供になっている以上、子供で・・・請求が止まった金融屋さんも、知って3か月が過ぎるのを待っているんじゃないですか?」
女性「面倒くさいな!」
私「明日にでも、最寄りの家庭裁判所に行って相談するのですよ」
女性「教えてくれてありがとう」
ここで終わったが、今ならもっと親身に対応できます。
負債超過が明かな場合など、別々でもできますが、相続人全員で申請した方がいいです。
住所地を管轄する家庭裁判所へ行き、書類を受取又はダウンロードし、申請し、家裁から書類が届き、相違ない事を確認して送り返せばOK
行政書士は相続放棄の依頼受任はできませんが、本人でもできる簡単な手続きです。